ウィーン、という機械の音が頭の周りで鳴り続ける。
5分ほどたった頃、機械の音が止まった。
ここはどこだろ?検査してるって言ってたけど、何の検査だろう?
初めて受ける検査。
すると、目隠しされたまま、体が動く。
「はい、鈴木さん、検査は終わりましたよ。マスクを外しますね。
このまま仰向けでいてください。」
と言われ、マスクを外されて目を開けると、大きな機械が頭上にあらわれた。
言われたとおりベッドで寝ていると、
「かなちゃん、お疲れ様。頭は痛くない?」
と進藤先生が現れて私に話しかける。
「だ、大丈夫です。」
あ、頭の検査?
あれ?寝る前に痛んだお腹、もうズキズキしない。
とお腹に手をやる。
「何事か理解できてないみたいだね。
今朝、回診に行ったら、かなちゃんのお腹の傷が開いていいて、傷は治したよ。
それから頭に大きなアザがあったから、どこかで頭をぶつけたんだと思ったんだ。
寝ていて意識は戻らないから、急遽検査をしたの。
今、脳外科の先生と検査結果を確認したら、異常はなかったよ。
ただ、もともと頭痛持ちだった?
よく頭痛があった?」
以前、入院していた時に頻繁に頭痛はあったけど、、、
風邪を引いてたり、体調が良くない時だったし、、、
「はい、もともと頭痛はありました。」
と答えると、
「偏頭痛かもしれない。痛いのに無理せず、かならず薬を飲むようにしてね。
脳神経外科にも通うようにね。
それから、アザはどうしてできたの?」
う、、、恥ずかしくて言えない。
すこしの間、なんて言おうか考えて、沈黙が流れた。
私の言葉を待つ進藤先生。
恥ずかしいけど言わないとね。
「実は、、、
昨日の夜、冷蔵庫の物をとろうとしたら、こけてしまって、、、」
「、、、」
拍子抜けしたかのような顔の進藤先生。
「ぷっ!
こんなに大きなアザを?僕はてっきり、部屋を抜け出して、階段でこけたんだと思ったよ。」
と、笑いながら話す進藤先生。
そんな、拭かなくてもいいのに。
自分の体を支えられなくて、こけちゃったんだから。
体力、、、やっぱり落ちてる。。。
そんなことを考えてしょげていたからか、進藤先生が、
「ごめんごめん。
リハビリもなしに立ち上がったから、バランスを崩したんだね。」
はぁーあ。
すごく疲れた。寝ていただけで検査は終わったけど、熱が下がってないから、体がだるい。



