「かな、おはよう。」
とたけるとまいが私に声をかける。
「かな、なんだか顔色悪くない?」
とまいが私の異変に気づいた。
「うん、少し疲れたかな。」
と言うと、
「無理しないようにね。
って言っても、無理しないとついていけないよね。」
さすがまい。分かってる。
私はたけるとまいに、喘息のことは言っていない。
言えば、医者や看護師になろうとしている二人だから、きっと過保護になるに違いないだろう。
それからお昼になると、どんどんと体調が悪くなっていた。
講義どころではない。
でも、出ないと単位にも響く。
なんとか体にムチを打って、最後の授業までもつことができた。
今日は早く帰ろうと思い、たけるとまいに伝えて、帰ることにした。
家に着くと、すぐに部屋へ行き横になった。
熱は計れば、高かった時に余計に辛くなる。
ここは、気付かないふり作戦。
でも、体は正直で、ベッドに横になるとすぐに眠りについた。
金曜日、今日は幸治さんの帰ってくる日。
あんな気まずい雰囲気のまま、というか、幸治さんを怒らせたままだったので、家に帰るのが心苦しい。
私は昨日よりいっそう悪化した体に、大学の休みになる土日まで待って、とお願いしながら一日を過ごした。