朝、目が覚めたけど、体が怠い。
熱も下がってないみたい。
さっき、看護師さんが計りにきたけど、何度だったんだろう。
すると、部屋の扉が開く。
「かなちゃん、おはよう。」
進藤先生。
「おはようございます。」
と返すと、後ろには、、、、、
幸治さんが続いて入ってる。
「熱はどう?」
といい額を触る進藤先生。
「あんまり熱が下がってないね。
聴診と喉見させて。」
と言われ、服をまくる。
あんまりいい顔してない、進藤先生。
「はい、じゃあ喉見させて。」
と言う。
私は昨日のことがあったので口を開けたくない。
はぁ、嫌だなぁ。昨日より痛いんだもん。
「かな、どうしたの?」
とそれまで黙って見ていた幸治さんが、少し怒った声で言った。
「かなちゃん、あーんって口開けて言って。」
進藤先生が促す。
嫌なんだよね。ほんとに。
と思いながらも、渋々口を開ける。
「あー、
っつ!痛い。」
喉を大きく開けるだけでも痛い。
「もうちょっと頑張ろ。」
と進藤先生。
「あーーー。」
涙が出てきそうなくらい痛い。耳の奥がポカーンっと音を立ててる。
「はい、このまま薬塗るよ。」
えっ?まだ?もう無理!
と思い口を閉じた。
「もう一回!」
進藤先生が続けて促す。
「痛い、、、、」
と私は喉を押さえる。
「喉の痛みは長引くから、早めに治そ?」
と進藤先生。
なかなか口を開けない私を見て、進藤先生が幸治さんに何か言ってる。
「かな、そんなに痛いの?俺に見せて。」
といい、私の両頬に手を当て口を開けさせた。
恥ずかしい。幸治さんが私の喉を覗いてるっ。
喉の痛みより顔が熱くなる方に気を取られてしまう。
「はい、終わったよ。」
と幸治さんがいう。
「さすが佐藤先生っ!かなちゃんは佐藤先生なら、なんでも受け入れてくれるんだね。」
と進藤先生がいう。
「進藤先生の診察もちゃんと受けなさい!」
と幸治さんが私にきつくいう。
「けど、僕も相当、最初は苦労したんです。
初めて診察した日なんて、すぐ逃げて、、困ったもんでしたよ。」
と進藤先生にいう幸治さん。
「そんなことがあったんだね。
かなちゃん、僕の時は逃げないでね。」
と進藤先生がいう。
私は、熱がまた上がってきた気がした。
進藤先生と幸治さんの会話があまり頭に入ってこない。



