「じゃあ思いっきり息を吐いてね。」
と進藤先生が言う。
私は思いっきり息を吸って、はこうとした。
すると、
「いたっ!」
全身に痛みが走った。
「大丈夫っ?」
と進藤先生に言われ、俯いていた顔を覗かれる。
私は痛みで体がズキズキしながら、進藤先生に頭を左右に振って大丈夫じゃないと合図をした。
「困ったなぁ。」
と頭を抱える。
「昨日発作が出たばっかりだから、早く今の状態を知りたいんだけど。」
と進藤先生が続ける。
無理してでもやらなきゃならないよね。
早く退院するんだもん。
「もう一度、やります。」
と言うと、私は大きく息を吸って、思いっきり吐いた。
再び激痛が入って、目に涙が浮かんだ。
「かなちゃんっ!無理したらダメだよ。」
という進藤先生。
でも、、、早く退院したいし。
と思いながら顔を上げると、、、
私を明らかに睨んでる幸治さん。
「か、、、、な、、、ちゃあん。
何、勝手なことをしてるの?」
言葉は優しいけど、言い方がなんとも言えないくらい怖い。
なんでそんな恐ろしいのかな、、、。
「体が痛いんだろ!?」
と怒鳴られる。
私は思わず、下を向いて、
「もう痛くないです!」
と反抗する。
「うそだっ!痛いの我慢してんだろ?」
「違うもんっ!」
「じゃあ、体、触ってやるよ」
ぇえっ!それは困る!
私は自然に体を触られないように手でガードした。
「ぷっ!」
と吹き出す進藤先生。
「何、その痴話喧嘩~。」
と笑いながら言う。
痴話喧嘩なんかじゃないもーん。
怒られないように必死なんだもん!
「かな、本当は?」
「、、、、、痛い。」
というと、進藤先生は、
「僕のことを思ってやってくれたんだね。
無理しなくていいからね。
じゃあ、吸入しようか。」
という。
えっ?ここは免除じゃないの?
と進藤先生の顔を見ると、幸治さんに、
「これで終わりと思ったら、大間違いだ!」
ってまた怒られた。



