小児科での研修が終わると、次は救命救急センター、ERでの研修だった。
ERは、アメリカの病院だけあって、ものすごくひどいケガをしている患者さんが運ばれて来た。
毎日が忙しくって、食事もままならない。
皆、ついていくのに必死で、フラフラしていた。
とにかく不規則の毎日。
たまに小児の患者さんが運ばれてくると、幸治さんに会えるから、嬉しくて仕方がなかった。
もちろん、話すことはできないけど。
ERでは夜中まで仕事することばかりで、家で幸治さんに会うことはほとんどなかった。






私のアメリカでの研修は、順調に終わりそうだと思っていた。
しかし、帰国が近づくにつれて、熱を出した日から徐々に、胸が締め付けられるような苦しい痛みが何度も起きた。





アメリカに来たら、毎日幸治さんの診察を受けることになっていたけど、診察は休みの日くらいしかしてもらえなかった。
私たちが忙し過ぎて、家に一緒にいる時間もほとんどなかった。








そして、とうとう私は研修を終えて、帰国する日が来た。