かなが次に目を覚ますと、見覚えのある天井。
病院?
頭のうしろには、氷枕。
腕には点滴。
私、どうしてここに。
あ、ニックと公園にいたんだ。
思い出した。
幸治さんとお父さんは、有名な医者だってニックから聞いて、、、
それからここにいる。
私の今の状況からすると、きっと熱が出たのかな。
体の怠さからすると、きっと発作はなさそう。
そんなことを考えていると、カーテンが開いて、ニックが入ってきた。
「かな、大丈夫?
熱はどう?」
と私の額に手をやる。
「もうなさそうだね。
点滴も終わるし、帰れそう?
本当にごめんな。
俺が疲れてるかなを、無理矢理公園に連れ出したから。
俺、かなを自分の物だけにしたかった。
彼氏でも何でもないのに。
ただ、今日だけは、かなとずっといたかったんだ。
本当に、ごめんな。」
「ニック、大丈夫だよ。
迷惑かけて、こちらこそごめんね。」
かながニックに謝るけど、それでもニックは浮かない顔。
「ニックのことは友達としか思えないけど、ニックは素敵な相棒だよ!
いつか医者になって、ニックとまた働ける時がくるといいな。」
とかながニックに声をかけると、ニックは顔を上げてニッコリ笑った。
「あっ!
ニック!今何時?」
「夜中の2時になるけど・・・」
「やばいよ!家でお父さんたちが心配してる!」
私はニックと慌てて病院を出た。
熱はすっかり下がっていた。
これなら明日、というか今日だけど、研修に来ることができる。
ニックに今日のことへ口止めして、タクシーに乗って家に帰った。



