「そういうことで、今日の食事会が開かれたんだな。」
やっぱり、お父さん、私たちを認めることなんてできないよね。
私と幸治さんは今までほ交際らしいことは何一つしたことがなかったけど、
これからも何もないんだね・・・。
「もっと早くその言葉を聞けると思ってたんだがな。」
というお父さんの言葉に、私と幸治さんは驚き、お父さんの顔を見た。
「なぁ、母さん。」
お父さんはお母さんを見た。
お母さんは深く頷く。
「お父さんたちは、幸治が昔から、かなちゃんのことを気にかけていたことや、再会してから初めて退院した時に、かなちゃんを引き取ったと聞いたとき、そして前に帰国した時の幸治の顔から、きっとかなちゃんのことを愛しているんだということはわかっていた。
だから、お母さんとも話して、いつかその時が来たら、二人を温かく見守ってあげようという話しになったんだ。」
私はお父さんの話しに、涙が止まらなかった。
こんなまだ未熟な私に、幸治さんとの交際を認めてもらえたのだと思うと、嬉しくたまらなかった。
幸治さんを見ると、幸治さんも目に涙をためている。
「で、式はいつなの?」
ん?お母さん?
「式よー。結婚式。どこで挙げるの?」
へ?
幸治さんも驚いている。
「いや、まだ、かなは学生の身だし。
それに、俺たち、本当の親父たちの承認を得てからの交際にしようと思ってたから。
まだ・・・・その、何も。」
「はっ!?」
っとお父さんとお母さんが一緒に声を出した。
「まじめかっ!」
とお父さんが突っ込む。
「まぁいい。気長にまつよ。」
「あら、私は式に着ていく服をいろいろ考えていたのに、残念だわ。」
とお父さんとお母さんが話している。
お父さんとお母さんの中では、いろんなことが進んでいたんだろう。
私たちは最後のデザートを食べ終えて、お店を出た。
本当によかった。お父さんとお母さんに認めてもらえて。
こんなに嬉しいと思ったことは初めて。



