食事が始まって、話題は幸治さんのアメリカの病院の小児科での仕事について。
家に帰らず、誰もが働いているという。
大きな病院ということや、夜中にも急変するような重症な患者さんがいるから、帰れないそうだ。
でも、幸治さんは今のアメリカでの仕事がすごく楽しいみたい。
そして、次には私の研修の話題。
「かなちゃん、どうだい?アメリカの病院は。」
と言われ、ようやく私が口を開く。
「日本での研修と違って、幅広くやらせてもらえるので、すごく楽しいです。
今は何も患者さんにできないことが悔しいけど、患者さんと一緒にいるときは一番楽しいです。」
「そうか、それはよかった。でも毎日遅くて体が疲れただろ?」
とお父さんが言った後に、
「そうだぞ、かな。
研修中の休憩にしっかり休まないで、病室に行って子供達に顔を出してるって。
研修のあとにも医局に残ってる子がいるって、先生たちは関心してたけど、まだ始まったばかりなんだし、無理するなよ。」
と幸治さんが付け足した。
「はい、今のところ、体調はいいです。
倒れないように気をつけます。」
と私が答える。
「そうだな、こっちに来た日にお父さんが診察したけど、それから一回もしてなかったもんな。
幸治、帰ったらしっかり診てやるんだぞ。」
とお父さんが言うと、幸治さんが返事をした。
その後、また幸治さんの話や私の話しとなり、食事はデザートを迎えるために、それまでの食器が片付けられた。



