未知の世界3


食事が始まって、話題は幸治さんのアメリカの病院の小児科での仕事について。



家に帰らず、誰もが働いているという。



大きな病院ということや、夜中にも急変するような重症な患者さんがいるから、帰れないそうだ。
でも、幸治さんは今のアメリカでの仕事がすごく楽しいみたい。



そして、次には私の研修の話題。




「かなちゃん、どうだい?アメリカの病院は。」




と言われ、ようやく私が口を開く。




「日本での研修と違って、幅広くやらせてもらえるので、すごく楽しいです。
今は何も患者さんにできないことが悔しいけど、患者さんと一緒にいるときは一番楽しいです。」



「そうか、それはよかった。でも毎日遅くて体が疲れただろ?」




とお父さんが言った後に、




「そうだぞ、かな。
研修中の休憩にしっかり休まないで、病室に行って子供達に顔を出してるって。
研修のあとにも医局に残ってる子がいるって、先生たちは関心してたけど、まだ始まったばかりなんだし、無理するなよ。」




と幸治さんが付け足した。




「はい、今のところ、体調はいいです。
倒れないように気をつけます。」



と私が答える。




「そうだな、こっちに来た日にお父さんが診察したけど、それから一回もしてなかったもんな。
幸治、帰ったらしっかり診てやるんだぞ。」




とお父さんが言うと、幸治さんが返事をした。




その後、また幸治さんの話や私の話しとなり、食事はデザートを迎えるために、それまでの食器が片付けられた。