未知の世界3


ニックと別れて、夕方に家に着くように帰った。



ニックには申し訳ないけど、私の好きな人は幸治さん。
幸治さんは私の人生を大きく変えてくれた。
それだけじゃない。
私の幼い頃、すごく薄い記憶だけど、私の心の中にはずっと幸治さんがいた。
そして出会って、一緒に生活して、今では幸治さんなしの生活なんて信じられない。
この先、私たち二人は兄妹ではなく、恋人としてもしくは夫婦として、ずっと一緒にいられるのかもしれない。
それが今日のお父さんたちとの食事でかかっている。







もし・・・・・・反対されたら。








家に向かう途中、私は二文字の言葉が頭をよぎり、足を止めた。







その可能性は考えられる。今まで、あるかもしれないと思っていたけど、絶対にあってほしくないから、私の頭に浮かんでは消し、浮かんでは消し・・・



でも、今はっきり頭をよぎった。




お父さんたちにとっては大切な息子。


ありえる、

かもしれない。




ポツッ  





ポツッ





雨?





ん、違う。私の涙。






今泣いたら、目が赤くなって、みんなに心配されちゃう。
泣いちゃだめ!




と思えば思うほど涙が止まらない。




そこから涙が止むまで、近くの公園に座った。




20分くらいが経った頃、目元がしっかり乾き、持っていた鏡で顔を確認すると、目はそんなに赤くなかった。



もう夕方になっちゃうから、帰らなきゃ。





私は慌てて公園を出た。