「はぁはぁはぁ、ニック待って。」
と言うと、ニックは私に気づき、止まってくれた。
「はぁはぁ・・・・・少し言いすぎた。ごめんね。」
私はニックに謝る。
「はぁはぁ。いや、俺の考えが浅はかで、すごく自分が惨めになってきて。
俺さ、研修で初めてかなに会った時から、かなを好きになってた。
だから、研修なんてそっちのけで、かなのことばかり見てた。
けど、一生懸命なかなをみて、自分が恥ずかしくなって。
本当にごめん。」
「いや、私こそ。
ニックの気持ちには薄々気づいてた。
だけど、その気持ちには答えられない。
ニックとは本当に仲のいい相棒としてしか想えない。
本当に、ごめんね。」
ニックと私はそれからテーマパークを後にした。
私は少しの距離だけど、全速力で走ってしまったせいか、胸の辺りに違和感というか、何か妙な重みを感じた。
しかし、喘息はそれから出ることはなかった。
ただ、何かよからぬことが起こるのではないかと、体は何かを感じ取っていた。



