未知の世界3


「はぁはぁはぁ、ニック待って。」




と言うと、ニックは私に気づき、止まってくれた。




「はぁはぁ・・・・・少し言いすぎた。ごめんね。」





私はニックに謝る。




「はぁはぁ。いや、俺の考えが浅はかで、すごく自分が惨めになってきて。



俺さ、研修で初めてかなに会った時から、かなを好きになってた。
だから、研修なんてそっちのけで、かなのことばかり見てた。



けど、一生懸命なかなをみて、自分が恥ずかしくなって。
本当にごめん。」





「いや、私こそ。
ニックの気持ちには薄々気づいてた。
だけど、その気持ちには答えられない。



ニックとは本当に仲のいい相棒としてしか想えない。
本当に、ごめんね。」




ニックと私はそれからテーマパークを後にした。




私は少しの距離だけど、全速力で走ってしまったせいか、胸の辺りに違和感というか、何か妙な重みを感じた。
しかし、喘息はそれから出ることはなかった。




ただ、何かよからぬことが起こるのではないかと、体は何かを感じ取っていた。