タクシーで初めて英語を使ってお父さんとお母さんの家に辿り着いた。
タクシーを降りた前には大きな家。
豪邸だった。
私はどこを押したらいいのかインターホンを探していると、





「かなちゃん!?」





と声がした。
私は声のする方を見ると、そこにはお母さんが立っていた。
お母さんっ!
私は嬉しくなってお母さんに駆け寄った。



「かなちゃん、久しぶりね!元気にしてた?」




私はもう泣きそうだった。
少しの間だけど、この異国の地で一人になったことがとても怖かった。
その恐怖からお母さんの顔を見て安心することができた。




私はお母さんと一緒に家に入った。
家はものすごく広い敷地に建っていた。
そこら辺一帯はこの家ほどではないけど、大きな家が建ち並ぶ。
病院の関係者、主に医師が多いらしい。 
大きな病院だから、各国から来る医師もいるそうだ。
他にも政治家やハリウッドスターもいれば、別荘として各国の金持ちがいるそうだ。

家の中は部屋がたくさんあった。
私のためにわざわざ用意してくれた家具は、何一つ不自由がなかった。
お母さんは私が疲れているだろうといって、お茶を入れてくれた。





「もう少しでお父さんが帰ってくるわ。
かなちゃん、疲れてる上、さっき走っちゃったでしょ?お父さんに診てもらいましょう。」




とサラッと診察されることになって、私はドキリとした。
さすがお母さん。
見逃さないね。