心臓病の女の子は、さっちゃんと呼ばれている。
さっちゃんは、私と並んで廊下を歩く。
でもなんだかさっきからキョロキョロしていて様子がおかしい。
私はそんなさっちゃんが気になった。
するとさっちゃんが、
「お姉ちゃん!あれっ!」
と言い、窓の外を指差した。
私は、その指差す方をみると、次の瞬間、さっちゃんが走り出した。
私もすぐに駆け出した。
幸いさっちゃんが走ったのは5メートルもなかった。
けど私は、心臓病のさっちゃんに異変が起きてもいけないと思い、すぐに心電図の検査室へおんぶして連れて行き、心電図の担当の先生に話した。
すぐに心電図検査と、担当医の幸治さんがやってきて聴診した。
また幸いにもさっちゃんの心臓に異変はなかった。
私は小学生のやることが全く分からず、悪戦苦闘した。



