未知の世界3


進藤先生にお世話になった呼吸器内科での研修が終わる日、進藤先生に最後に残るように言われた。





私は医局で、進藤先生のところへ向かった。






「先生、お世話になりました。」






というと、お疲れ様と返ってきた。






「あとは小児科かな?次は佐藤先生が待ってるね。」





とニヤリと言う。





私はその先生の顔を見て、少し顔を赤らめた。






「ところで、体調はどう?これから診察させて。」





すかさず言われ、患者としてというより研修生の身として、全く断ることができなかった。





言葉に出すほど、診察を受けることが快くなかったので、こくりと頷いた。





「あんまり気が進まないようだけど、体調悪いの?」





と聞かれる。





「いや、そういう訳ではないです。
いつも通り、診察は嫌いです、、、」






と言うと、それを聞いていた周りにいた先生方から、笑いが起きた。






「鈴木さん、病院嫌いだもんね。」





と隣にいた先生が笑いながら言う。






う、、、、、入院中にお世話になったことがある先生だ。






「進藤先生を困らせちゃダメだよ。
きっと君が医者になったら、同じように患者さんに困らされることになるよ。」




と冗談めいた言い方で言われた。






私は自分のことをしられていることで恥ずかしさでいっぱいだった。





「じゃあ、診察行こうか。」






と言われ、






「え?本当ですか!?」





と言うと、再び先生方から笑いが起きた。






私は顔を真っ赤にして、進藤先生の後に続いて医局を出た。