服を上げる手が震える。
「はぁはぁはぁ、はぁはぁはぁ。」
落ち着いて深呼吸しないといけないのに、呼吸が乱れる。
「吸って、吐いてー。吸って、吐いてー。」
どことなく冷たい言い方の進藤先生の声に合わせて呼吸する。
「はぁはぁっ、ふーーー、はぁはぁっ、ふーーー、」
少しずつ呼吸が整ってきた。
「はぁー、ふーーー、」
少ししてから、次は喉、リンパを確認された。
そのあとは喘息の検査。
そこまでは病室で受けた。
診察が終わっても先生は怒ってる。
はぁ、もう疲れた。
早く終わらないかな。
「じゃあこれから内視鏡検査するから、入院着に着替えて。」
あっ、自宅に置いてきちゃった。
私はパジャマで病院を出て、自宅で着替えていたことを忘れていた。
パジャマはもう一枚あるはずだから、と棚を探す。
「どうした?」
パジャマ、パジャマ、パジャマ、、、、
こんなときに限ってない。
チラッと進藤先生を見る。
「マンション?」
と言われて小さく頷く。
「まぁいいや。検査服を用意するから。」
と言われ、私は検査室に向かった。
検査服にさっと着替えて検査台へ。
きっと胃カメラだろうと思っていると、仰向けにされた。
えっ?
と思っていると、
いたっ!
痛みのする膝を見ると、進藤先生が私の膝を消毒していた。
「怪我してるならちゃんと言いなさい。」
忘れてた。マンションに向かう途中、激しくこけちゃったんだった。
「痛いっ!」
すごいしみる消毒。
「結構ぱっくり割れちゃってるから、数針縫うよ。」
とサラっと言う。
えっ?
痛いっ!
我慢できずに膝を動かしてしまった。
「こらっ、危ないから、動かないで。」
と一喝される。
そこ場にいた看護師さんに押さえられて、なんとか終了。
はぁ。痛かった。



