未知の世界3


服を上げる手が震える。   





「はぁはぁはぁ、はぁはぁはぁ。」





落ち着いて深呼吸しないといけないのに、呼吸が乱れる。






「吸って、吐いてー。吸って、吐いてー。」






どことなく冷たい言い方の進藤先生の声に合わせて呼吸する。





「はぁはぁっ、ふーーー、はぁはぁっ、ふーーー、」





少しずつ呼吸が整ってきた。    





「はぁー、ふーーー、」








少ししてから、次は喉、リンパを確認された。






そのあとは喘息の検査。






そこまでは病室で受けた。






診察が終わっても先生は怒ってる。






はぁ、もう疲れた。





早く終わらないかな。






「じゃあこれから内視鏡検査するから、入院着に着替えて。」






あっ、自宅に置いてきちゃった。






私はパジャマで病院を出て、自宅で着替えていたことを忘れていた。





パジャマはもう一枚あるはずだから、と棚を探す。






「どうした?」







パジャマ、パジャマ、パジャマ、、、、





こんなときに限ってない。





チラッと進藤先生を見る。







「マンション?」




と言われて小さく頷く。






「まぁいいや。検査服を用意するから。」






と言われ、私は検査室に向かった。






検査服にさっと着替えて検査台へ。






きっと胃カメラだろうと思っていると、仰向けにされた。






えっ?






と思っていると、







いたっ!






痛みのする膝を見ると、進藤先生が私の膝を消毒していた。





「怪我してるならちゃんと言いなさい。」






忘れてた。マンションに向かう途中、激しくこけちゃったんだった。





「痛いっ!」






すごいしみる消毒。






「結構ぱっくり割れちゃってるから、数針縫うよ。」






とサラっと言う。






えっ?







痛いっ!







我慢できずに膝を動かしてしまった。





「こらっ、危ないから、動かないで。」







と一喝される。





そこ場にいた看護師さんに押さえられて、なんとか終了。






はぁ。痛かった。