病室へ入ると、私が抜け出したままになっていた。
「ベッドに横になって。服あげて。」
と言われる。
私が脱走したんだから、しょうがない。
と観念して、服を上げる。
進藤先生がベッドの前の椅子に座りながら、聴診器を耳に当てる。
右手に聴診器を持って、私に近づく。
ビクッ!
やっぱりダメだ、、、
怖い。
進藤先生が切れてるからじゃない。
怖い。男性が怖い。
私は涙が止まらずに出てきてることに気づいた。
「逃げ出したのが悪い。」
って言われてるけど、そんなことよりも、ただ触られているのが怖い。
それでも脱走した私がいけないんだから、と自分に言い聞かせた。
体の震えが止まらない。
手先ももしかしたら、顔も震えてる気がする。
「そんなに怖い?」
その震える様子を見て、進藤先生から尋ねられた。
言葉が出ない。



