未知の世界3


それからまた何分も経った。





部屋から出る音は、進藤先生のため息と、幸治さんの荒い呼吸。





私は時々、呼吸をし忘れていることに気づき、静かに息をする。





「進藤先生、僕しんどいんで、病院で点滴お願いします。」




と幸治さんが沈黙を破った。




幸治さん、相当辛いのを我慢していたようだ。




「わかったよ。で、どうするの?」





と進藤先生に聞かれ、私は、沈黙を続けた。





行きたくない。病院には戻りたくない。





けど、許されることではない。






前回のことがあるから、無理には連れて行かれないだろうから、今日はマンションにいようかな。





「このまま、「行くよ!」





私の言葉は遮られ、進藤先生に部屋を出るように促された。




私は、渋々部屋を出て、進藤先生とふらふらしている幸治さんの後を追った。