「かなちゃんの吐き気は、風邪でも胃炎でもないと診断してる。
精神的なものじゃないかな?
何か考えてることがあるんじゃない?」
進藤先生、きっと分かってるはずなのに。
私が幸治さんのことを考えてるって、、、
私は黙ったまま俯いた。
話したところで、何も変わらない。
ん?
ズキッ
痛い。
私左の下腹に手を当てた。
少しするとおさまっていた。
それを見ていたのか、進藤先生が、
「お腹、痛む?少し触るよ。」
と私のお腹に手を伸ばした。
嫌っ!!!
やめて!!!!
私は瞬時に布団を頭まで被った。
大丈夫だから、触らないで!
そういいたかったけど、静かにしていた。
「かなちゃん、大丈夫だよ。
顔を出して。苦しくなっちゃうよ。」
と言われ、恐る恐る顔を出した。
「お腹は痛むの?」
私はすぐに顔を左右に振った。
触られるくらいなら、我慢する。
「、、、、、分かった。
もしいたむようなら言うんだよ。」
私の顔をじっと見つめる進藤先生。
どうせばれてる。
でも、絶対に言わないから。
少しすると、先生も看護師さんも出て行った。
幸治さん、本当にどうしたんだろ、、、
と再び幸治さんを思うと、再び腹痛が襲ってきた。



