「また熱が上がって来たから、点滴で熱を下げるね。栄養剤も入れておくけど、水分は少しずつ口から摂るようにできるだけがんばろうね。
また気持ち悪くなったら、遠慮せずにナースコールしてね。」
私の腕に刺さった点滴の量を調整しながら、進藤先生が言う。
なんとかうなづく。
あれかや熱で気付かなかったけど、私、運ばれてきてから幸治さんに会ってない。
私、また嫌われちゃったのかな。
そうだよね。
だって、私が幸治さんを突き放すようなことをしたんだから、、、
幸治さんを想うと、悲しくなってきた。
涙が止まらない。
「、、、くっ、、、え、、、、くっ、、、」
必死に声が出ないようにする。
「ひっ、、、、、はぁ、、、、ひっ、、、、はぁはぁはぁ」
呼吸がっ、荒く、、、なってきた。
「はぁはぁはぁ、、、はぁはぁはぁ、、、」
苦しっ!
「かなちゃん、大丈夫だよ。
ゆっくり息を吐いてーーー。吸ってーーー。」
進藤先生の指示に合わせて呼吸をする。
「おえっ!
うっ、、、、ぉえっ!!!」
もう、何も出ない。
それなのに、苦しい。
なんで?さっき吐き気止めじゃなかったの!?
「ぉえっ!」
部屋にいた看護師さんに背中をさすられる。
目の前の容器に戻そうとするけど、何も出ない。
口中は胃液で苦い。
「はぁはぁはぁはぁ。」
落ち着いてきた。
私の体、一体どうなってるの?



