ガラッ
と音がしたので、扉に目をやると、先程の看護師さんと進藤先生が現れた。
私の方にまっすぐ歩いてくる。
「かなちゃん、落ち着いたかな。熱があるんだって、少し診察させてもらっていいかな。」
私は速攻首を左右に振った。
「怖い?」
私は黙った。
進藤先生が看護師さんに氷枕を私の頭に敷くよう、指示する。
「かなちゃん、頭を動かすよ。ごめんね。」
と言い、私は看護師さんにされるがまま、頭を上げた。
「かなちゃん、服をあげるね。」
と看護師さんに言われるけど、両手で布団を下げられないように掴んだ。
「大丈夫だよ。」
と言い、私は看護師さんに手を握られたので、そっと力を緩めた。
「少しだけ、服をあげるからね。」
と言い、私の服をあげる。
私の手をギュッと握ってくれる看護師さん。
目をつむって、進藤先生を見ないようにした。
次の瞬間、胸の当たりがピタッとひんやりした。
ビクッ
体が一瞬に凍ばる。
全身に力が入る。
怖い。
嫌だ。
「かなちゃん、少し力を抜いて、深呼吸しようか。」
私は気づいたら、看護師さんの手を握り返していた。
「はぁはぁはぁ」
深呼吸しなくちゃいけないのに、息を止めていた。
「吸ってー吐いてー。吸ってー吐いてー。上手上手、その調子。」
私は看護師さんに声をかけてもらった通りにすることで、恐怖から逃れようとするけど、気づくと、涙が頬を濡らしていた。
「はい、終わったよ。」
と進藤先生に声をかけられる。
どうして、私こんなんになっちゃったんだろう。



