ザッザッザッ。







誰かきた。






顔を上げる。







目の前がぼやけて良く見えない。
      





誰だろう、、、






ハッ!





幸治さん、、、、、、。







私は思わず立ち上がり、歩き始めようとする。





どこにそんな力があるのだろう。





しかし、次の瞬間、膝がガクガクと震え、私はその場でこけてしまった。



  

そこに幸治さんが黙って近づく。






私は意識朦朧としていた。







幸治さんは何も言わない。







やっぱり、私、見捨てられたんだね。






幸治さんは私をおんぶしたまま、どこかへ向かっている。





どこに自分がいるのか、確認する気力もなくなっていた。