その手は幸治さんで、幸治さんは私の見ていたペンダントを持ってレジへ進んでいく。
え?幸治さん?
レジを終えると私を手招きする。
呼ばれてる?
と思い幸治さんのもとへ向かう。
幸治さんの目の前に歩み寄ると、反対側を向くように体を動かされた。
すると、首元からスッと手が伸び、私の首筋にひんやりしたものが当たった。
少し正面からずれた位置にある鏡を覗き込む。
そこには、ペンダントを私の後ろでつけてくれている幸治さん。
「え?幸治さん、これ、私の?」
と聞くと、幸治さんは、
「当たり前だろ。俺が付けるわけないよ。
入院生活、嫌な治療も乗り越えてきた褒美だ。」
本当?!幸治さんからのプレゼント?
生活費や必要な服は買ってもらったことはあるけど、こんなにも可愛いペンダントは初めて!!
「幸治さん、ありがとうございます。」
私は胸が踊るほど嬉しかった。
お店を出てから、顔が緩んで仕方がないほど、嬉しかった。
このハートのペンダント、ずっとつけていよう。



