未知の世界3


その手は幸治さんで、幸治さんは私の見ていたペンダントを持ってレジへ進んでいく。






え?幸治さん?





レジを終えると私を手招きする。





呼ばれてる?





と思い幸治さんのもとへ向かう。





幸治さんの目の前に歩み寄ると、反対側を向くように体を動かされた。




すると、首元からスッと手が伸び、私の首筋にひんやりしたものが当たった。




少し正面からずれた位置にある鏡を覗き込む。




そこには、ペンダントを私の後ろでつけてくれている幸治さん。




「え?幸治さん、これ、私の?」




と聞くと、幸治さんは、




「当たり前だろ。俺が付けるわけないよ。




入院生活、嫌な治療も乗り越えてきた褒美だ。」




本当?!幸治さんからのプレゼント?




生活費や必要な服は買ってもらったことはあるけど、こんなにも可愛いペンダントは初めて!!



「幸治さん、ありがとうございます。」




私は胸が踊るほど嬉しかった。




お店を出てから、顔が緩んで仕方がないほど、嬉しかった。




このハートのペンダント、ずっとつけていよう。