「……バイトしてたんだ」


「まあなんというか、千鶴も大変なんだね。あはは」


とりあえず私も笑ってごまかした。




ゆなちゃんは自分の椅子を持ってきて向かい側に座り、今日のテストの問題用紙をファイルから出した。


藤くんと同じレベルですごい量の数字が書き並べられてる。


むしろよくこれで時間が足りたなと思う。


とりあえず私はゆなちゃんの疑問点を一つ一つ解決していくことにした。


もともと数学は得意な方なのか飲み込みが早いのか物分りがいい。


時間はそんなにかからなかった。


最初の問いの他に別の問題点の全てを教え終わるまでに30分もかかってない。


「なるほど。すごいねアユは。まるで先生みたい……いや、それ以上?」


藤くんと同じことを言ってくれた。


ていうか先生以上ってなんだろう。教授?


「そうでもないよっ。ゆなちゃんがすぐ理解してくれるからね」


「そうかな。アユに褒められると嬉しいね」


ゆなちゃんは顔を下に向けた。


たぶん笑ってるのを見られるのが恥ずかしいんだと思う。


そういう所、本当にかわいい。


「」