「……おお、うん。なるほどね。すげぇ、めっちゃわかりやすい」


「そうかな?」


「そうだよ! お前、教師に向いてるかもな」


太陽のように明るい笑顔の藤くん。


その笑顔を見れるだけで1日の疲れが吹っ飛んじゃいます。


「教師かぁ……」


想像してみる。


なんか空回りしちゃいそう。


スーツを着て、メガネかけて……うーん、似合わなそうな気がする。


でも藤くんは似合いそうだ。


かっこいいんだろうなぁ。


藤くんが先生だったらどんな授業でも真面目に受けれると思う。


「あーでも、高杉はソフトのプロ選手だったっけな」


「う、うん」


覚えててくれたんだ。


言ったのはたった一回きりなのに。


こういうところ、すごく好き。


「プロになったら絶対応援いくわ!」


「えへへ……ありがと」


そんなの百人力って奴だ。


どんな相手だって藤くんが応援してくれれば勝てる自信がある。


好きな人からのがんばれ、は本当に力が湧いちゃうんだから。




藤くんはありがとうとにこりと笑って男子たちの輪に入っていった。


そして入れ替わってきたのは上機嫌な千鶴とちょっと不機嫌そうなゆなちゃん。


たぶん藤くんと話してたからかな。


ゆなちゃんはかなりわかりやすい。


「遅くない?私に教える時間が短くなっちゃったじゃん……」


「まあまあ。時間はあるから」