それを聞いたゆなちゃんはぱぁっと花のように微笑んだ。



以前と違ってぎこちなかったり笑うことに抵抗することがなくなって、ゆなちゃんはクラスからの評判は良くなった。


前まで一人でいたのが嘘だったみたい。


千尋から聞いた話だとすでに三回告られているらしい。


でも丁重に断ってるって。


まあ藤くんが好きなんだから当たり前なんだけどね。


でも元はといえば藤くんと仲良くなってから変わっている。


やっぱ藤くんは偉大だ。


「いやいや待て待て」


上から藤くんの手がポンと置かれる。


「高杉は今俺んだから後でなっ」


「なっ、なんですとっ」


藤くんはそんなセリフを恥ずかしげにもなく言えるところがすごい。


てか嬉しい。


なんかゆなちゃんには申し訳ないけど勝った。大勝利だ。


しかも藤くんの手、おっきいし、とっても安心する。


なんだろこのご褒美は。


「なにそれ……まあ、待ってる」


「ごめんね?」


あともう少しだけこの幸せを堪能させてくださいっ。


私はにやけ顏で頭を下げた。