止まるまで結構時間がかった。


そして冷静になった私は横に置いたバックを机に置いて顔を埋めた。


こんなことをしたのは主にキラキラしたアユの目と怪しい笑いを見せる藤くんと千尋に耐えれなくなったからだ。


「ゆなちゃんがこんなに笑ったの初めて見た。しかも……」


「かわいい」


みんな口合わせて言わないで……!


私だってこんなに笑ったのはなかなかない。


「はずくて死ねる……」


「ゆなって結構恥ずかしがり屋だもんな」


まるで私を理解してますみたいに言うな。


恥ずかしがり屋だけれども。


「無表情じゃなくていつもそんな感じでいたらいいのに」


「千尋の言う通りだよ。ゆなちゃんと友達になれてよかった。一生ものです」


やめてくれ。いや、もうやめてください。


「やっぱ笑顔ってみんなを幸せにするな」


「言い過ぎだよ」


今すぐこの教室から逃げだしたい気持ちになったけど、運がいいのか悪いのかチャイムが鳴った。


授業中特に何もしてないのに視線を集め、帰り道(この日は藤くんはいなかった)でもみられている気がした。






そして私の学校生活はこの時から本格的に変わり始めたのだった。