「そいやみっちゃんと遥は?」
アユはきょろきょろとクラスを見渡す。
「瑞貴はバレー部の集まり。遥は先生に呼ばれてたじゃん」
あんたはほんと周り見ないよね、と千尋は付け足してため息をついた。
「千尋それ褒めてるの?」
「頭大丈夫?」
私は苦笑いを浮かべた。
たった数日間だけど、四人の性格とか立ち位置がよくわかってきた。
千尋と遥は世話焼きで瑞貴はお姉さん。
そしてアユは子供っぽい。
アユ中心に会話が回る。
そこらへんは藤くんと同じだ。
やっぱり二人は相性抜群だと思う。
ぼーっと二人の痴話げんかを眺めてると、藤くんがやってきた。
「あれ、間宮は?」
間宮は遥の苗字だ。
「は、遥はっ、先生に連行されましたっ」
アユは藤くんが話しかけてくれたからかテンパっている。
藤くんは慌てるアユを見てくすくすと笑う。
「連行って。言い方変だろ……っ」
「え、あ、うん? うん! レンコン!」
まだ混乱してるアユを見てると私までおもしろおかしくなってきた。
「ぷっ」
つい吹き出す。
だめだ、完全にツボに入った。
連行の時点であれなのにレンコンって意味わかんないし……!
「ゆ、ゆなちゃんまで笑って!」
ごめん。止まりそうにないです。
近くの人たちからの視線が感じるけど関係なかった。
いやほんと涙がでる。


