「俺はゆなの笑顔が好きだからさ」
なんてさらって言うところはちょっとだけ苦手だけど……。恥ずかしいし。
でも。
でも、嬉しい。
こんな気持ち初めてだ。
「わ、私だって! い、いや、なんでもない」
私だって藤くんの笑顔が好き。
心の中では言えるのに、いざ口に出せない。
なんて情けない。
悲しくなってくる。
「なんだよ、気になるじゃん」
「なんでもないからっ」
私は顔を背けた。
今、藤くんと目をあわせるとダメな気がした。
だって顔が熱いから。
鼓動も早くなってるし。
絶対、今の私は真っ赤に顔を染めてるんじゃないかなって思った。


