「ごめんって」


「……あれ、この人再婚したんだ〜。どーせまたすぐ破局しそうだけどねぇ」


携帯のニュースを見ているらしい。


「冷蔵庫にある私のプリン」


「え、あの高いやつでしょ!? ありがとう! さすがゆなっ。天才!」


子供みたいに飛び跳ねる。


家にいた頃と全然かわってないみたい。


外見はなんか大人っぽくなってるくせに。


私はそれがおかしくて笑った。


「ゆなはやっぱ笑うときいい顔するね。あたし譲りってことだね」


「お姉ちゃん笑ってる時バカみたいだよ」


「はぁ? プリン二つ目追加〜」


「二個しか買ってないからだめ」


本当は3つあるんだけど。


それがばれたら確実に二個は知らないうちに食べてしまうから、やはり姉は遠慮というものをどこかおき忘れてしまったらしい。


「嘘つけぃ。リビングで確認済み。3つ見つけたからね」


親指を突き立てて私にグットサインを送ってくる。


妙に計算高いのが私が叶わないところだ。


しかも、


「それとお前、気になる人いるでしょ」


藤くんと同じで時々鋭い。


こういう時は絶対に隠せないから、私は観念して小さく頷いた。


私は椅子から立って姉の横に移動する。


「なんで分かったの?」


誰かにメールをしているのだろう。文章を打ち込み終えるとベッドに放った。


姉はあからさまにドヤ顔を見せる。


「女の勘」