その日から一週間、私はまた一人になった。


理由は簡単だ。


唯一私に話しかけてきてくれた藤くんがずっと休んでいるから。


クラス内でも度々話題に出されていた。


藤くんと仲の良さそうな男子が私にも話を聞いてきたけど、知らない、とだけ言って無視をした。


どうせふらっと何事もなく学校に現れるんだろうなと思った。


たとえ何か問題があったとしても私にはどうすることもできない。



なんて思ってると水曜日の3時間目に藤くんは予想通りフラフラっと来て平然と授業をうけていた。



その日はみんなから質問攻めにあっていて、一回も話す機会はなかった。






長くつまらない帰り道を歩いて、家に帰るとこれまた平然と姉がリビングにいた。


とりあえず絡まれると面倒だからスルーして着替えを済ませて授業で出された課題を夕飯時までやることにした。


英文を日本語に書き換える問題を終わらせると同時だった。


「ゆな! なんであたしを無視した!」


私は視線を英文に向けながら言う。


「え、めんどくさいから」


これはマジで本心だ。


「なんでよ〜。久しぶりのあたしじゃん! ったく、ちょっと前までは私と一緒でうっさかったのに大人になっちゃってさ〜」


ボフンと音がした。


たぶん私のベッドに勝手に寝てる。


ぐちぐち言ってくるけど私は机の引き出しにある耳栓を使って課題に集中した。



今回はそこまで量が多くなくて10分くらいで終わった。


耳栓を取って、椅子を回転させて姉に体ごと向ける。


「なに?」


用件を聞こうとするとべーっと舌を出してそっぽを向いてしまった。


拗ねてる。