初めて藤くんを見た時、私は絶対に仲良くなれない人だと思った。
というかなれっこないと諦めていた。
だって私と住む世界が違ったから。
いつも気づけばみんなの輪の中心にいて、そんな彼に人は吸い寄せられていく。
ひとりぼっちの私とは大違いだ。
けど、別に私はひとりでもいい。
だってひとりは楽だ。
何も気を使わなくてもいいし、自由だし、なにより、
作り笑いをしなくてもいい。
ずっと笑っているのは大変なのだ。
偽物の、嘘に塗り固められた笑顔。
まるで仮面を貼り付けられたような、そんな笑顔。
もう疲れてしまった。
他人に合わせること、
そして自分を偽ることに。
……あれ、いつからだっけ?
私が本当に笑えなくなったのは。