藤くんはいつもわらってる




「ご飯たべよ……」


朝ごはん食べればこの変な気持ちが吹き飛ぶ気がする。


リビングに行くと、お父さんがすでに朝ごはんを食べていて、お母さんは座ってぼーっとしていた。


お母さんは私に気づいて、何も言わずキッチンに向かった。


「めずらしいな」


お父さんがちらりと私を見て言う。


「うん。なんか目が覚めちゃって」


私は横に座った。


四角の食卓で向かい合わせが両親、お父さんの前が私、そして隣が5つ上のお姉ちゃんだ。


といってもお姉ちゃんは去年上京して一人暮らしを始めてるから家にいるのは三人だけだ。


「そうか」


お父さんは静かにトーストのパンをかじりつく。


テレビも付いてないから、風の音とフライパンにひく油の跳ねる音だけしか聞こえない。


お姉ちゃんとうるさかった頃の私がいた時は賑やかだったけど、今はかなり穏やかな朝食タイムとなっている。


でもこの感じ、嫌いじゃない。


お父さんが食べおわるころに目の前に皿が並べられた。


トーストと目玉焼きとソーセージ。それと昨日残りのきんぴらごぼうが別皿に少し乗せられていた。