…いや。 目覚めた理由は、部屋を見渡してすぐに分かった。 「…来るとは思わなかったわ。」 「みんなそう思うだろ?だからあえて、ね。」 月の光の中、足音をたてずにこちらに歩み寄る。 「顔、今日はいいの?」 今日は、顔を布で覆っていない。 そのせいか、昨日よりも纏う雰囲気が柔らかい。 「今日は盗みはしないようにするからな。」 ベッド脇のいすに腰掛ける。 「それと、昨日言い忘れたことがある。」 まっすぐに私を見て。 彼は聞いた。