騒ぎは、西の方からこちらへと近づいてきているようだ。 「なにかあったのかしら?」 イザリナはベッドから出て、扉に近づいていく。 扉に手をかけたそのとき。 イザリナは力を加えていないのに、ひとりでに扉が開いた。 まるで、開けるタイミングと合わせるように。 イザリナはハッとして、ノブから手を離した。 …今、開いたと同時に何かが入ってきたような。 しかし、イザリナが振り返るよりも早く、数人の衛兵を連れたナキヤが走ってきた。