++++++ 「では、本日はここまでといたします。」 家庭教師が歴史書を閉じながらそう言った。 後ろに控えていたナキヤが、手帳を片手に前に出てくる。 「明日は、午前中はダンス、午後からは舞踏会でのマナーなどの講習となっております。」 「朝九時から行いますので、それまでに小広間へお越しください。」 「分かったわ、おやすみなさい。」 「「おやすみなさいませ、よい夢を。」」 よい夢、ね。