「大丈夫大丈夫!まだあと4分あるよー!」 ボールをつく音。シューズの擦れる音。観客の応援。 決して静かとは言えない環境なのに、私の耳は彼の声をとらえる。 誰よりも声を出して、誰よりもシュートを決めて。 「気合い入ってるな、浅野。」 つぶやいた声は、自分にしか聞こえないはずだった。