「はぁ…」 ため息をつきながらも、クローゼットを大きく開ける。 あと一時間しかないのだ。テキパキ動かなければ、また怒られてしまう。 着ていた粗末なドレスを脱ぎ、深緑のドレスを身にまとう。 外に出たため、ボサボサになっている髪を梳き、右側にバレッタをつける。 「うーん、ネックレスはしたくないわね…」 イザリナはあまり装飾品が好きではない。 ごちゃごちゃと重たいものを身につけるのが嫌いなのだ。