「姫様、何度言ったら分かるのですか!」


セルタリア王国、王城の一室から大声が響きわたった。


「お、落ち着いて、ナキヤ。これには深い事情が…」

「どんな事情であれ、家庭教師をさぼられたのは他ならぬイザリナ様にございます!今月になってもう4度目にございますよ!?」

「だ、だからそれはね…」


白髪の老人、見事な亜麻色の髪の少女。


大声は、この老人から発せられていた。


「姫様はこの国の未来を背負われるお方なのです!あと一月で十八にもなられるのに、そんなことでは困りますぞ!」

「ご、ごめんなさい。ただ…」