静かな時間が流れる。 「俺の試合、見た?」 「うん、上から見てた。」 「そっか。まお、やっぱりドリブル速いよな。」 「え、浅野には負けるよ。」 さすがに無理、と浅野の方を見ると、浅野もこっちを見ていて。 視線が交わる。 「まお」 「うん?」 「俺の名前、知ってるよね?」 「…知ってる。」 浅野悠希。 「そろそろ、名前で読んでくれると嬉しいんだけどな。」