「浅野…いたの?」 「いたの、じゃないでしょ。あー、こんなに腫れてるし。」 後ろにいた浅野は、その長身を折り曲げるようにして私のそばにしゃがんだ。 「これ、湿布貼らないとやばいね。保健室行くよ、っと。」 「えっ、ちょっ!」 足首を見て、そう判断を下した浅野は、私の背中と膝裏に手を添えて持ち上げた。 ふわっとしたかと思うと、浅野の顔が近くなっていた。 いわゆる、お姫様だっこ。