明日も逢おうね 〜 君のいた世界 〜

*

転校生がやって来てから1週間が経った
原田はその間大して俺以外のクラスメートとは話さずに
俺にばかり話しかけてきていた。

「シゲ、おはよう!」
「うるせえ。話しかけんな」


毎回この言葉しか発していないのに
原田は嬉しそうな顔をして席に着いていた

気持ち悪いやつ。最初はそう思っていた
でも、転校して来てから1ヶ月が経ったある日
事件は起きたんだ

その日も原田は変わらず朝の挨拶を俺にし
席に着いた

「ねえ原田さん」

そう話しかけたのはクラス1可愛くて、性格がきついと噂の 成宮 りり だった

「あなた、どうしていつも私たちの挨拶は無視するのに 栗田くんには挨拶をするの?」

直球どストレートな問い掛けだった。
確かに原田は他の奴らから挨拶をされているにも関わらず無視し俺に おはよう と言っていた

「答えてよ」

流石 成宮と思う程強い口調だった
すると原田は

「私にはあなた達の上辺の関係がどうしても耐えられないんです。だからシ..栗田くんには挨拶をしていました」

驚いた。今までクラスメートの誰もが思っていたけど口に出してはいけなかったことをいとも簡単に述べてしまったのだから。

「私たちが上辺ですって?」
「はい、よく見てください。あなたの周りのお友達を。毎日あなたに怯えて過ごしているのが分からないんですか?」
「はあ?別に怯えてなんか!」
「まああなた方が上辺じゃないと言うならば私には関係ないですけどね」

そう言って原田は授業の準備を始めた

「あなたねえ!」

成宮の怒りはピークに達しているように思えた
でも原田は少しも動じていなかった

「覚えてなさいよ」

そう言い放ち成宮は席へと戻って行った