夕方。
れんげ組に顔を出す前に
すみれ組を覗く。
「あ・・・。」
今日に限って,
すみれ組には
子どもが数人残っていた。
「うーん・・・。」
朔はどうしても・・・
今日・・・陽和に
声をかけたかった。
でないと・・
決心が鈍りそうで・・・。
考えた朔は,
あることをメモして
そのままれんげ組に
顔を出した。
「おかえり,朔ちゃん。」
由宇が元気よく
飛びついてくる。
「おまたせ,由宇!」
そういって,すっかり
元気になった由宇の
頭をなでる。
昨日の今日なので,
さすがに肩車はよくないかと
思って,今日は,
手をつないで帰ることにした。
朔は・・・
ちょっとだけ顔を赤くしながら
切り出した。
「なあ・・ 由宇・・
ちょっと・・・
お願いがあるんだけどさ・・・。」
そういって朔は
手に握っていたメモを
由宇に渡した。
緊張で手に汗を握っていたため・・
朔が持っていたそのメモは
湿気でちょっとくしゃっと
なっていた。
朔は由宇にあることを
お願いした。
由宇は不思議そうに
朔を見上げたが,
ニコッと笑って頷いた。
由宇はトコトコと
すみれ組の中に入っていった。
「陽和先生!」
保護者と話をしていた陽和は
驚いて振り返った。
「昨日は,ありがとうございました。
元気になりました。」
そういって,由宇は,
陽和の手を握って,
例のメモを手渡した。
「あ・・ありがとう。
よかった。元気になって。」
陽和はそういいながら,
外に立っていた朔を見つけ,
視線を合わせた。
朔はぺこりとおじぎをして,
駆け寄ってきた由宇の
手をつないで,園を後にした。
陽和は,保護者に
挨拶をした後,
呆然としていた。
そして,手のひらに載っていた
少し湿気たメモをそっと
開いた。
「昨日は,本当にありがとう。
陽和と,久しぶりに話がしたいな。
公ちゃんたちも誘うから,
いっしょにご飯でも行かない?」
それは,朔なりの
精一杯の・・・誘いだった。
え・・・
陽和は戸惑った。
そう書いてあったものの
連絡先も知らないし・・
陽和からどう答えていいものか
わからない・・・。
だけど,それがやっぱり
朔らしくって・・・。
よくわからないけれど・・・
でも,朔ちゃんは
私と話がしてみたいと
思ってくれてるんだな・・。
陽和は,前向きに
とらえようと思った。
また・・・来週。
朔ちゃんと・・・
話ができるかな?
ねえ・・・朔ちゃん。
私・・・
朔ちゃんのこと
好きになっても・・・
いいのかな・・・?
れんげ組に顔を出す前に
すみれ組を覗く。
「あ・・・。」
今日に限って,
すみれ組には
子どもが数人残っていた。
「うーん・・・。」
朔はどうしても・・・
今日・・・陽和に
声をかけたかった。
でないと・・
決心が鈍りそうで・・・。
考えた朔は,
あることをメモして
そのままれんげ組に
顔を出した。
「おかえり,朔ちゃん。」
由宇が元気よく
飛びついてくる。
「おまたせ,由宇!」
そういって,すっかり
元気になった由宇の
頭をなでる。
昨日の今日なので,
さすがに肩車はよくないかと
思って,今日は,
手をつないで帰ることにした。
朔は・・・
ちょっとだけ顔を赤くしながら
切り出した。
「なあ・・ 由宇・・
ちょっと・・・
お願いがあるんだけどさ・・・。」
そういって朔は
手に握っていたメモを
由宇に渡した。
緊張で手に汗を握っていたため・・
朔が持っていたそのメモは
湿気でちょっとくしゃっと
なっていた。
朔は由宇にあることを
お願いした。
由宇は不思議そうに
朔を見上げたが,
ニコッと笑って頷いた。
由宇はトコトコと
すみれ組の中に入っていった。
「陽和先生!」
保護者と話をしていた陽和は
驚いて振り返った。
「昨日は,ありがとうございました。
元気になりました。」
そういって,由宇は,
陽和の手を握って,
例のメモを手渡した。
「あ・・ありがとう。
よかった。元気になって。」
陽和はそういいながら,
外に立っていた朔を見つけ,
視線を合わせた。
朔はぺこりとおじぎをして,
駆け寄ってきた由宇の
手をつないで,園を後にした。
陽和は,保護者に
挨拶をした後,
呆然としていた。
そして,手のひらに載っていた
少し湿気たメモをそっと
開いた。
「昨日は,本当にありがとう。
陽和と,久しぶりに話がしたいな。
公ちゃんたちも誘うから,
いっしょにご飯でも行かない?」
それは,朔なりの
精一杯の・・・誘いだった。
え・・・
陽和は戸惑った。
そう書いてあったものの
連絡先も知らないし・・
陽和からどう答えていいものか
わからない・・・。
だけど,それがやっぱり
朔らしくって・・・。
よくわからないけれど・・・
でも,朔ちゃんは
私と話がしてみたいと
思ってくれてるんだな・・。
陽和は,前向きに
とらえようと思った。
また・・・来週。
朔ちゃんと・・・
話ができるかな?
ねえ・・・朔ちゃん。
私・・・
朔ちゃんのこと
好きになっても・・・
いいのかな・・・?
