ひと通り笑い終わると、私は今更になってひとつ、決心した。





ちゃんと、彼を褒めよう。





上から目線だろうが、的外れだろうが、暴言になろうが関係ない。





界人はえらいね。頑張ってて、すごいね。と。





思った言葉を、心の内から湧いて出た気持ちを、ちゃんと素直に伝えよう。





そんな風に決意した。









──すると。





不意に、ペリ、ペリ、ペリ…と、音がして。





その音で私が意識を向けたのは、心の中のタンスの角。





痕が残るのを怖がって、そのままにしておいたあのキャラクターシールが。





驚くほどすんなりと剥がれ落ちて。





同時に、確信に似た強い感情が、私の中を渦巻いた。





「やっぱり…そうだよね」






そうだ。






やっぱり私は、






界人が、好きだ。