「ねえ。高宮と私って、どういう関係?」



聞いてしまったことを、後悔した。
顔を上げた高宮が目を大きく見開いたからだ。


気まずくなるかもしれない。ここに来れなくなるかもしれない。
そんな不安が止まらない。



「だって私、高宮のパシりしかしてないでしょ?だから、」



さっきのように、ゆっくりと立ち上がったのは同じだ。だけど、今は、気だるさがない。


ハッとする間もなく、いつも私から袋を受け取ったり意地悪するだけの指が、私の唇をなぞった。


何か言わなきゃと思うのに、言葉が出てこない。



「どういう関係にしたい?」



ふと、高宮が置いたアイスクリームに目をやると、蓋からピンク色が溶けだしていた。



「あんなふうに…」



私の視線を追った高宮が唇の端で笑った。






END.