〝 キーンコーンカーンコーン 〟


寝ていると、あっという間だったな


つまらない授業を乗り越えた達成感と
まだ2時間目が終わったばかりという絶望感


私にすれば、絶望感の方が大きかった



私は死んだ魚のような目をしながら
窓枠に顔を置いて、見飽きたはずの中庭をじっと見つめた


新入生がなにやら楽しそうに話している


期待を胸いっぱいに膨らませながら入学してきた彼等は
受験という重荷を背負わされながら
毎日を過ごしている私たちとは大違いだ


あの子達もいつかは私のようになるのだろうか
いや、こんなつまらない先輩と同じようにはなってはいけないな


あほらしくなった私は考えるのも面倒臭くなり
再び襲ってきた睡魔に、抵抗する気すらもなかった