付き合って2ヶ月経ったころ。
毎日は会えなかったけど、週3回くらいは会ってた。
徐々にあきとさんに惹かれてる自分がいた。たぶんもう、好き。
家でも学校でも友達といても、あきとさんの事を考えるようになっていた。
駅の待合室で椅子に向かい合わせで二人で話していると、
「よ!なに、彼女?」
と話しかけてきた人が居た。
なんか振り向く気にならなかったから背中を向けていた。
「おお!久しぶりだな!大輔」
「え…。」
思わず振り向いてしまった。
「あれ?この子俺らと同じ高校じゃん」
「そーだよ。かのこって言うんだ。」
「へー、こんな子いたんだ…」
覚えてないんだ。
そーだよね。
「かのこ…?かのこって…。」
何かを思い出した様に驚いた顔をした。けどすぐに、笑って
「よろしくね?」
って手を出してきた。
思わず頭を下げて、「もものところいくね」ってだけ言って逃げるようにしてしまった。
「あれ?はやいじゃん。てかさっき大輔さん待合室入っていったけど?」
「きた…。」
「え?」
「こっちに来たの!手差し出された。」
「まって、話全く読めない。」
「あきとさんと話してたらこっちに大輔さんがこっちに来て、よろしくねって手、出されて握手されそうになって、逃げてきた。」
「あ、出てきたよ…なんかこっちみてるね」
「もーやだぁ。なんで今?」
「しらなーい。」
目が合った気がした。
ほんとになんで今なの?
もっと早くだったら?
今の自分はどうなっていただろうか。
