私が愛した人

高校三年生の春。
ずっと部活に打ち込んでいた。
一年生の冬からずっと好きな人がいた。先輩で陸上部。
走ってる姿に惚れてたんだ。
彼氏もできたことあるけど、好きな人が諦めることができなくてすぐ別れてしまった。
先輩にメールをしたこともあったけど、返信はこなかった。
先輩の名前は大輔さん。
先輩が卒業するときに手紙で気持ちは伝えた。
返事はなかったけど、それでよかった。

駅で時々見かけていたけど、お互い顔を合わせることはなかった。
けど、たまたま私が乗る電車から降りてきて、ふとした瞬間に目が合って離すことができなかった。
その日に、自覚した。

まだ好きなんだ。って…。

それから数日後。
駅で、あきとさんという高校の先輩によく会うようになった。
元バスケ部のキャプテンで、親が医者で、あきとさん自身も医者になるために専門学校に行っている。
時々目が合って、微笑まれて…。
めっちゃイケメン。
部活仲間のももといつも帰りは帰っていた。
2人で「かっこいい!」ってキャッキャキャッキャ言っていた。

そんな日常が好きだった。

最初はあきとさんから話しかけてきて、会ったら時々話して、連絡先の交換するくらいまでになっていた。

「かーんの!最近恋の方はどーなの?」
私の名前は菊谷かのこ。
「何いきなり。いい感じの人はいるよー。ゆきは?」
ゆきは同じクラスで仲がいい子。
他にも、はる、ちなみ、はるなの5人でいつも一緒にいる。
ゆきとはるはクラス内恋愛。
ゆきは男バスのマネであきとさんのことを知っている。
「え!?だれ?あたしの事はいいから。」
「ゆきの先輩。」
「は?誰やww」
「あ!わかった!」
「あきとさん?」
「なんでいうのさ!」
はるなの答えを横取りしたはるは満足そうに笑っていた。
「うん!その人。」
「「えー!!!」」
みんな驚いていた。
そりゃそーなるよね。
そこからはたくさんの恋愛話。
みんなの恋愛話は面白い。

今日の帰り、駅に着くと外であきとさんが待っていた。
ももが先に気づいた。
「あ…。」
ももは私がまだ大輔さんの事が好きな事を知っている。
「先行ってるね。時間なったらそこで待ち合わせしよ。」
そう言って改札の前を指さして先に行ってしまった。
「こんばんわ。」
「おかえり。」
微笑みながらいつも会うとおかえりっていってくれる。
「ただいま。」
「話したいことあってさ」
「いっつも話してるのに?」
「そっ。改めて話したいこと。」
少し沈黙があった。
「かのこの事が好きだった。付き合って欲しい。」
すぐには、はいって言えない。
「ありがとうございます!けど、考えてもいいですか?」
「うん、待つ!俺は待つから、決まったら連絡して。直接聞きたい。」
「わかりました。」
その日はそのままお別れした。

「ももー。」
「あ、今日早いね」
「…付き合って欲しいって言われた。」
「えぇぇえええー!!! まじで!?!なんて答えたのさ!」
「考えさせてくださいって…」
「そっかー、うちはいいと思うよ?付き合っても。お似合いだし!」
「とりあえず明日まで考えてみる。」
「切り替えるチャンスかもね〜。最近会わないから今がチャンスだよ!」
わかってる。そんなこと。
確かに切り替えるチャンスだ。
だけど、2年間の片思いをどう切り替えるかなんてわからない。
そのきっかけにするために付き合うのか。

あーあ。最低だ。
だけど、あきとさんなら好きになれる気がした。

つぎの日。
私は付き合うことに決めた。
朝連絡したら、朝会いたいって言われて、早めの電車に乗って2人で公園で会った。
ベンチに座るとあきとさんから聞いてきた。
「返事…だよね?」
「あきとさんは、私でいいんですか?」
「かのこがいい。」
「これからよろしくお願いします!」
私は立ち上がりあきとさんに頭を下げた。
「まじ…で?めっちゃ嬉しい。幸せにする!」
あきとさんは思いっきり抱きしめてきた。
その時初めてあきとさんとのキスをした。
学校まで送ってくれた。
「いってらっしゃーい!」
「いってきます!」
その後バイバイってして、
教室でみんなに話して、
おめでとうー!って言ってくれた。

これからこの人とたくさんの思い出を作っていくんだ。