恋愛ケータイ小説倶楽部

この時間が何だか勿体無くて、今まで先生に訊きたかったことを訊いてみる。


「そういえば先生って何歳なんですか?」


「ん?俺、26だけど」


26歳なんだ……知らなかった。


想像してたぐらいの年齢だったけど、やっぱ先生って若く見えるな。


「……なに。おじさんだな?って思った」


「いえ、逆ですよ。先生は若く見えます」


「それ、お前らの年齢から言われてもな〜」


ははは、と先生は眉を下げて苦笑いをした。


「椎名は2年生だから今16歳、17歳くらいだよな?」


「はい。今16歳です」


「じゃあ10歳差か〜やっぱ歳を感じるな」


"そんなことないです"


そんなありきたりな言葉を言いかけた瞬間、私の腕は勢いよく引っ張られた。


ビックリして顔を上げると向こう側からきた車が通り過ぎっていった。


「ったく、あぶないよな。こんな田舎道であんなスピードあげなくてもいいだろうに」


な?と先生は私を見下ろす。


でも、私はそんな先生からの視線にとっさに目を逸らした。


それは先生の顔が思ったよりも至近距離にあって。


そして、掴まれた腕が


まだ、熱を帯びてる。