恋愛ケータイ小説倶楽部

私は子ども扱いされたことに対して少しムッと頬を膨らませた。


「じゃあ、先生はどんな恋愛をしてきたんですか?参考にするんで教えて下さい」


私はフンッと怒りを露わにし、先生にそう告げた。


すると、その質問に対して、先生は一瞬顔が強張った後、口を開いた。


「俺のしてきた恋愛は……小説になんて書くに足らないくだらないもんばっかだよ」


その時、一瞬だったけど、先生は寂し気な表情をしたのを私は感じとった。


いつも意地悪そうな笑顔とかそういうのしか見たことなかったから。


先生のそんな表情を見るのは初めてだった。


先生は今までどういう人に惹かれて、
どういう人と恋をしてきたの?


そんな風にもっと一歩踏み込んだことを訊きたかったけど。


そのもの哀しげな表情が頭から消えなくて


「そうですか」


とだけしか返事をすることができなかった。



それから今日の部活の時間はずっと


あの時の一瞬見せた表情が


頭にこびりついて拭えなかった。