「え………?どうしてですか?」


「この小説さ、」


先生が言葉を続ける。私はその言葉の続きに耳を傾けた。


「恋愛がテーマだけど、プロットを見てみてどちらかというと恋のドキドキワクワク感がかなり強い気がしてた。

そこがなんて言うか……何か違和感を感じたんだよな」


「……恋ってドキドキワクワクするものなんじゃないんですか?」


「んー…、それはどうかな〜」


私は本当の恋……というよりも恋をしたことがないんだと思う。

でも恋愛ってこうキラキラしてて、ワクワクするようなものではないのかな……


そんな私を見ながら、先生はフッと笑みをこぼす。


「椎名って、見た目は他の生徒よりも大人っぽく見えるけど」


「……?」


「中身は子どもだよな」