「わりぃ。遅くなった」


そう言いながら先生は急いで室内に駆け込んで来た。

走ってきたのか息を切らし、そして額には汗が滲み始めている。

それを見るとそんなに急いで来てくれたのかな、なんて想像をしてしまい、それだけで何だか少し嬉しくなってしまった。


……って、なんで嬉しくなってんのってば、私。


最近の私、ほんとどうかしてる。



「……椎名?」